防音室のある家・・・ピアノ室などの音楽練習室やAVルームを作ろうとお考えの方へ
当設計室は、一般住宅の設計と、ピアノ室や音楽練習室などの音響・防音設計のエキスパートでもあり、豊富な知識と実績を持っています。
私(遠藤)自身が音楽愛好家であり、楽器の演奏も行いますので、音楽室の設計と工事におきましては、お客様の音楽的ご要望を的確に把握し、遮音と室内音響の両面において、高いレベルでご満足いただける音楽練習室を作っております。
特にピアノのレッスンや練習をしておられる方々が強く望んでおられる「深夜でも気兼ねなくグランドピアノが弾ける」というご要望を、一般的な構造の住宅において、できるだけ安価に実現するための研究と実践を重ねてきました。
ピアノ室(音楽練習室)の防音、音響設計等につきましてご相談がございましたら、ぜひお声をおかけください。丁寧にご対応させていただきます。
ピアノ室(音楽練習室)をつくる際の業者選びの注意点
もしあなたが音楽練習室(ピアノ室、ドラム室、楽器練習室など)やAV(オーディオ・ビジュアル)ルームを作ろうとして、その設計や施工の業者を選ぶ場合、次のように言ってみてください。
「壁、床、天井にすべて鉛シートを入れ、窓はペアガラスとし、ドアには吸音材を詰め込んだらいいと思うのですが、どうでしょうか」
これに対して、即座に全否定する業者でなければなりません。そうでなくて、「了解しました、その通りにしましょう」などという業者は全く「音」のことが分かっていませんので、決して依頼してはいけません。鉛シートでは、人の普通の話し声や、普通のボリュームのテレビの音ぐらいを緩和する効果しかありません。ペアガラスは断熱効果はありますが、遮音効果はほとんどありません。ドアに吸音材を充てんしても遮音性能は殆どアップしません。
以前インターネットのある記事で「建築業者の99.999%は音のことがわかっていない」と書いてあるのを読んだことがあります。99.999%が分かってないとすると、0.001%だけが分かっていることになって、10万人に1人だけということになります。まあこれはちょっと大げさですが、私のこれまでの経験でも多分99%の業者はわかっていないと思います。(つまりわかっているのは100人中、せいぜい1人)そしてこわいのは、自分が音のことがわかっていないということを自己認識していない人が、設計者にも施工者にもたいへん多くて、私たち専門知識のあるものから見れば、設計上も施工上も、全く見当外れのことをやってしまっている場合がたいへん多いということなのです。
そのため、クライアント(建築主・施主)としては期待もしてお金もかけた割には、全く思い通りの結果にならなかったというケースが本当に多いのです。そしてそれに対して設計者や施工者に文句を言うと、「こんなもんですよ」と言われて、多くの人が「そんなものかなあ」と半信半疑ながらあきらめてしまいます。正しい設計をきちんと行い、間違いのない施工をきちんとすれば、木造住宅でも深夜に近所に気兼ねなくグランドピアノを弾けることぐらいは、十分に可能です。もしそれができないとすれば、その原因は、それに関わる設計者や施工者の無知と経験不足にほかなりません。
もう一度言いますが、冒頭のような質問をして、「そうしましょう」というような業者は絶対にだめです。即座に全否定する人だけを選んでください。そうでないと、本当にお金をどぶに捨てることになります。
明確な工事区分がなされた設計
上記のとおり、音響の設計や工事は、一般の設計事務所や施工業者には無理なので、必ず専門の業者に依頼するようにすべきですが、一方、音響専門の設計者や施工者は、建築全体の構造や設備については十分な知識や施工能力を持っていない場合があります。ですので、一般構造や設備に関しては、それについての経験豊富な設計事務所や施工会社(工務店)に、音響的な部分に関しては、その専門の業者にと、それぞれ明確に区分して行わせる必要があります。
しかし、音響的知識の乏しい設計士が設計した建物では、往々にしてその区分が曖昧で、両者がオーバーラップしてしまい、その部分で音響的な破綻が生じるケースが多く見られます。 これは避けなければなりません。そのためには、一般工事と音響工事が、明確な工事区分ができるような設計でなければなりません。
音響設計上の留意点
工事の時にきちんと施工しておくべきことと、工事完成後、次第に調整していけばよいことがあります。
前者は、遮音、定在波の除去、低音の処理、の3つです。これらは工事において、しっかり行っておかなければなりません。工事後に調整することは、たいへん難しいからです。
後者は、中高音の調整(残響や音色)です。これらは設計上はあまりシビアに考えるよりも、むしろ完成後、実際の諸条件に従って、ある程度の試行錯誤を行いながら調整していくほうが実際的です。楽器の位置、設置する家具(ソファーや本棚など)やファブリック(カーテンやカーペット)などによって、中高音域の音響特性は大きく変わります。小さな部屋では、人数が増えるか減るかするだけで、残響も音色も変化するほどです。
以上のことを、しっかり押さえて設計と施工を行っていけば、良好な性能の音楽練習室を、無駄のない費用で作ることができます。